「近江」という名前の由来は?「滋賀」は?
琵琶湖は世界で3番目に古い「古代湖」
京都より面白い? 国宝だらけの寺、神社、そして城
【旅のメモ】滋賀ではどこに泊まる?
「近江」という名前の由来は?「滋賀」は?

マナブ:今日は滋賀県大津市に来ています。
歴史先生:京都から電車ですぐ。オーバーツーリズムで大混雑している京都を避けて、そのお隣を巡ります。
マナブ:えーっと、京都はいろいろと有名観光地がありますが、滋賀県、というとあまり観光地のイメージがありませんね。仕事で東京から関西へ出張するときに新幹線で通り過ぎていただけで、特に観光で下りたことはないなぁ。
歴史先生:そうでしたか・・・。では滋賀県、というと何を思い浮かべますか?
マナブ:やっぱり「琵琶湖」ですね。
歴史先生:そうですよね。ところで滋賀県の古い国の名前は何でしょう?
マナブ:「近江(おうみ)」ですか?
歴史先生:はい、そうです。この近江、というのはどういう意味でしょう?
マナブ:えっ? 意味なんて考えたこともなかったけど・・・・。
歴史先生:「江」というのは水の意味ですから、京都から近くにある湖の国ということで、近江、なんです。
マナブ:なるほど。
歴史先生:似たような国名が静岡県西部にあります。今の浜松あたり。
マナブ:あのあたりはたしか、「遠江(とおとうみ)」。
歴史先生:そうです。あそこには浜名湖がありますから、京都からみて遠いところにある湖の国。
マナブ:ほー。なるほど。
歴史先生:今の滋賀県という呼び方ですが、大津市付近の当時の名称である滋賀(志賀)郡、から来ています。でもこの地方の歴史を考えるとあまりピンとこないので、滋賀県民も「近江」という旧名を多用しているようです。たとえば、特産のブランド牛肉といえば?
マナブ:近江牛!!
歴史先生:はい、そうです(回答速い!笑)。いろんなものに「近江~」と名前がついていますから、そんなことも見ながらブラブラしてみましょう。
琵琶湖は世界で3番目に古い「古代湖」

BIWAKOモニュメント
歴史先生:琵琶湖と言えば日本一大きな湖ですよね。2位に4倍以上の差をつけて断トツの1位なんです。ところで2位以下の湖ってどこか、わかりますか?
マナブ:え? 2位以下というと・・・・さっき話が出た浜名湖とか、そうそう関東では霞ヶ浦が大きいはず。
歴史先生:あ、正解が出ましたね。2位は霞ヶ浦。3位は少し難しかったかもしれませんが、北海道のサロマ湖です。福島県の猪苗代湖が4位。鳥取・島根の中海が5位、と続きます。
マナブ:浜名湖は出てきませんね?
歴史先生:意外にも、浜名湖は第10位なんです。
マナブ:あれ? 結構大きな湖なのにね。
歴史先生:ところで、大きさだけではなくて、琵琶湖のすごいところはもう1つあります。これは世界的にすごい。世界第3位、です。
マナブ:え? なんだろう? 水の量? 深さ? いやいや、違うな、世界には桁違いの巨大な湖がありますよね。
歴史先生:実は「古さ」が世界第3位、なんです。
マナブ:古さ?
歴史先生:世界中の湖を数えると、1平方キロメートル以上の湖は845万個もあるそうです。でも湖って意外と短命で、ほとんどの湖は1万年程度で消失してしまうんです。
マナブ:そうだったんですか。
歴史先生:でも845万個のうち、わずか20個の湖だけは10万年以上前にできたものが残っています。
マナブ:きわめて少ない数ですね。
歴史先生:これらは地殻変動で起きた地形の構造的な変化によってできた湖で、「古代湖」と呼ばれています。もっとも古いのはロシアのバイカル湖で、3,000万年以上前にできました。次はアフリカの大地溝帯にあるタンガニィカ湖で500~1,000万年前。そして琵琶湖は400万年前。
マナブ:それで世界第3位。
歴史先生:そういうわけです。最初に琵琶湖が生まれたのは今の伊賀市あたりで、そこから断層などの影響を受けながら移動しました。実際に琵琶湖が今の位置に移ったのは100万年ほど前で、それを琵琶湖の誕生時期とする学者さんたちもいます。それでもやっぱり古いことに違いはありません。
マナブ:湖の古さなんて、どうやってわかるんですか?
歴史先生:古代湖には固有種がたくさん生息しています。琵琶湖では60種ほどが見つかっています。陸地で考えると、絶海の孤島に固有種の動物が住んでいたりしますよね? あれと反対で、ずっと陸地に囲まれて長い間外の世界と接触していない湖でも固有種が繁栄します。
マナブ:なるほど。
歴史先生:古代湖ではそういった固有種の化石が発見され、その化石の古さによって湖の年齢が推定される、というわけです。
京都より面白い? 国宝だらけの寺、神社、そして城
歴史先生:ところでさっき、滋賀県はあまり観光地のイメージがないように言われましたが、そんなことないですよ。
マナブ:たとえば?
歴史先生:まずは比叡山延暦寺。
マナブ:あ、それって京都じゃなくて?
歴史先生:比叡山は京都との県境の山ですが、延暦寺の主要部分は滋賀県側にありますし、滋賀県側が山を登る際の表側になります。
マナブ:ほかには?
歴史先生:お城では彦根城や安土城など。信長や秀吉、明智光秀、石田三成ゆかりの場所も非常に多い。近江八幡のような風情ある城下町もあります。お寺では三井寺、石山寺とか、非常に由緒ある大寺院がありますし、神社では今回、1つの「神宮」と4つの「大社」を巡ります。
マナブ:「神宮」と「大社」?
歴史先生:神社には昔から延喜式、などのいろんな格付けがありますが、一番わかりやすいのはその名称です。「XX神宮」というのは天皇家の祖先を祀る神社のことで、神社のランキングを初めて定めた「延喜式」が書かれた平安時代の927年には伊勢神宮、鹿島神宮、香取神宮の3か所のみでしたが、今では24か所ある、とされています。それだけ後世になって新しいものが増えたということで、たとえば東京の明治神宮は明治天皇を、奈良の橿原神宮は神武天皇を祀ったものですよね。
マナブ:ふむふむ。
歴史先生:「XX大社」というのはそれに続く格式で、その地方や信仰にとって中心的な役割を持つ重要な神社です。その筆頭格は出雲大社です。
マナブ:なるほど、重要な神社が滋賀県にはたくさんあるんですね。
歴史先生:そういえば今回の旅では船に乗って「竹生島」にも行きますよ。
マナブ:船の旅、いいですね。
歴史先生:それから滋賀県から少し外れて岐阜県に入ると、関ケ原があります。ガイドブックだと滋賀県からはずれるので見落としがちですが、長浜から近いし、帰りは岐阜羽島駅から新幹線に乗れるので、滋賀県の観光とセットで行かれることをお勧めします。
マナブ:あ、そうか。関ケ原も含めて、戦国時代好きの人には見どころが多そうですね。
歴史先生:古来より、「近江を制する者は天下を制す」と言われた場所。地形的に見ると、京都から東国へつながる重要な位置にあることがわかります。徳川家康が天下をとった関ケ原の合戦もそうですが、太古の昔、壬申の乱で大海人皇子が不破の関(今の関ケ原)で勝利し、近江の地を攻め上ったことで、天皇の地位を武力で奪い取った場所でもあります。
マナブ:このあたりは昔から重要な場所だったんですね。
歴史先生:それだけ重要な場所なので、国宝の建物も多いんです。日本で一番国宝の建物が多いのは奈良県で64件。続いて京都が52件。滋賀は第3位の22件、です。重要文化財でも同様のランキングになります。(令和6年9月1日現在、文化庁Webサイトより)
マナブ:そうなんですね。今回の旅でも国宝を観れますか?
歴史先生:はい、滋賀県は国宝だらけ、です。たくさん見に行きましょう。
マナブ:基本的にレンタカーで回るんですよね?
歴史先生:はい。京都と違って滋賀は観光地同士が離れていますから、車があると便利です。京都の観光地と比べるとどこも人が少ないので、歴史を感じながらゆっくりと見て回ることができますよ。その意味で京都よりも私は面白い、と思っています。
マナブ:滋賀県、意外と盛りだくさんな旅になりそうですね。さっそく出発しましょう。
【旅のメモ】
滋賀ではどこに泊まる?
滋賀県内をドライブする上では、名神高速道路をはじめとする幹線道路沿いに「ルートイン」などのリーズナブルなチェーンのホテルが多数あるので、旅程に沿ってそれらを利用するとよい。
しかし、もっと思い出に残るホテルステイを楽しみたいなら、以下の2軒のホテルがおススメ。
(1)琵琶湖ホテル(大津市)
大津を代表する大型ホテル。浜大津駅や遊覧船の発着所に隣接し、全室から琵琶湖を真正面にのぞむ最高のロケーションに立つ。

選んだ理由:
立地:浜大津駅に近く、夜の大津市内散策に便利。湖岸は公園になっており朝の散歩にも最適。
眺望:目の前は琵琶湖。大津らしい景観を楽しめる。
設備:モダンな部屋のデザイン。窓に向かって置かれたベッドから、寝たまま琵琶湖を眺められる部屋もある。
価格:大津市を代表するホテルだが価格は比較的リーズナブル。
実際に泊まってみた感想:
・立地は最高。夜、大津市内へ夕食をとりに出かけるのに便利であったし、朝の湖岸の散歩もとても気持ちよかった。
・部屋からは琵琶湖が一望でき、ベッドから琵琶湖を眺められる。夜になると大噴水のライトアップがあり、まさに特等席。
・明るい日差しが差し込むレストランの朝食バイキングは品数、クオリティとも、十分満足いくものであった。
・駐車場も完備。ホテルの駐車場を宿泊者は無料で利用できる。

高級感のあるロビー

ベッドは琵琶湖が見えるように置かれている

琵琶湖ホテルの部屋は「びわこ大噴水」を眺める特等席
一休のサイト
https://www.ikyu.com/00000236/
(2)彦根キャッスルリゾート&スパ (彦根市)
彦根城の正面に位置する人気のホテル。彦根城天守を眺めながらの露天風呂が自慢。

選んだ理由:
立地:彦根城の入口。彦根駅方面にも近く、観光や街歩きに最適なロケーション。
眺望:露天風呂からライトアップされた彦根城が見える。
設備:高級感ある落ち着いた内装。スタッフのサービスにも口コミ評価が高い。
価格:高級そうに見えるが、価格は比較的リーズナブル。
実際に泊まってみた感想:
・彦根城にも彦根の町にもアクセスしやすい好立地。
・彦根城天守まではそれなりの距離があるので、目の前にドーンと迫って見えるという感じではなかったが、城を見ながらの入浴は珍しい体験だった。
・スタッフの丁寧なサービスは好印象。また隣接するお土産店は品ぞろえもよく、お土産店の少ない彦根の中では貴重な存在。
・朝食バイキングは品ぞろえも味も大満足。かき揚げ天丼も朝から食べられる軽さ。

コンパクトながら機能的な部屋

テラスや露天風呂から彦根城が見える

体に良さそうな料理が充実の朝食バイキング

朝食バイキングの名物、かき揚げ天丼
一休のサイト
https://www.ikyu.com/00001972/

