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富山 高岡_1.jpg
登場人物:
・マナブ: IT業界ビジネスマン。最近、歴史に興味を持つようになり、ただいま勉強中。
・歴史先生:歴史に詳しい街歩きの達人。マナブと一緒に旅をする。
室堂ターミナルでこの時期だけの「雪の大谷」を見よう

ガスが出た。室堂ターミナルで少し時間つぶし。

立山曼荼羅:行った後で見ると実におもしろい!

ここは天国それとも地獄? みくりが池で雷鳥に出会った

火山ガスが噴き出る地獄谷と氷河地形

日本一高いところにある国指定重要文化財:室堂山荘


室堂ターミナルでこの時期だけの「雪の大谷」を見よう


室堂ターミナル


マナブ:景色を楽しんでいるうちに室堂ターミナルに着きました。標高2,450m。たくさんの人でにぎわっています。しかもかなり多国籍。


歴史先生:ここは1階なんですが、左側にお土産店やカフェ、右側に立山そばのお店があります。右手奥の階段を上ると2階がホテル立山、3階屋上からみくりが池のほうへの散策路につながっています。


雪の大谷へはこの階段を下りて建物の外へ出る


歴史先生:ではまず「雪の大谷」に行ってみましょう。


マナブ:春の立山黒部アルペンルートの最大の見どころ、ですよね?


歴史先生:はい。階段を下りて、建物の外へ出ます。


除雪車が展示されている


マナブ:除雪車が展示されていますね。


歴史先生:除雪車にはここにある2つの種類があるんですが、向かって左側、赤い回転する機械のほうは、雪を道の脇に飛ばして、道を作っていくタイプ。向かって右側はいわゆるブルドーザーで、雪を押していくタイプ。雪の大谷を作るのはどっちでしょう?


マナブ:えっ? どっちも当たっているような。わかりません。


歴史先生:答えはブルドーザー。積雪が20mを超える豪雪地帯のここ室堂ではもはや道がどこにあったのか、見当もつかなくなります。


マナブ:20m?


歴史先生:すごいですよね。そこでGPSを使って、ここが道だという場所をブルドーザー2台が並んでカンナのように雪を薄く削っていきます。


マナブ:へぇー、GPSですか。


歴史先生:それを繰り返し繰り返し、少しずつ道路の幅で掘り下げていったのが、この雪の大谷なんですね。


マナブ:なるほど、だから横の壁がきれいに残ってるんだ。


雪の縞模様が美しい国見岳


マナブ:雪の大谷は先ほどバスで通ってきた道の片側を歩行者専用にして6月下旬ごろまで開催されています。


雪の大谷会場


看板の上にはぬいぐるみの雷鳥が。


マナブ:なるほど、ブルドーザーできれいに削ったらこうなるんですね。


歴史先生:今日は壁の高さが14m。だいぶ低くなってしまいましたが、開通直後のゴールデンウイークなどでは20mを超えることもあるようです。


マナブ:いや、これで十分すごい迫力です。


この日の雪の壁の高さは14m。


ガスが出た。室堂ターミナルで少し時間つぶし。


歴史先生:さて、先ほどまで快晴だったんですが、ちょっとガスが出てきて、せっかくの立山が見えなくなってきています。今日の天気なら少し時間を置けばガスが晴れると思いますので、腹ごしらえしませんか?


マナブ:いいですね。今回のように時間に余裕をもって計画すれば、こんなこともできるんだ。室堂での時間が限られていて、次の乗り物の時間があったら、こんな風にはいきません。


歴史先生:そうなんです。絶対に晴れた立山を見たい!というのが今回のテーマですから、室堂で時間をとっても大丈夫なようにスケジュールを組んでいます。


マナブ:ということで、ホテル立山の中にあるティーラウンジ「りんどう」にやってきました。


歴史先生:軽食メニューがいろいろありますが、せっかく富山にいるので名物のブラックカレーにします。テーブルのタブレットから注文を入れます。


ティーラウンジ「りんどう」の富山名物ブラックカレー


マナブ:あ、それいいですね。では私も。


歴史先生:あ、これはおいしい。


マナブ:たしかに。とってもコクがあって、上品な甘みがあって、好きな味です。近くにあったらリピートしたい。


歴史先生:たしかに。でもここの場所はなかなかリピートが難しいですね(笑)。


雄山神社峰本社 旧社殿展示室へ続く階段


歴史先生:さて、おなかが落ち着いたところで、天気回復までもう少し時間をつぶしましょう。室堂ターミナルに、雄山神社峰本社の旧社殿が展示されています。


マナブ:旧社殿?


歴史先生:雄山神社は立山のてっぺんにあるというお話をしましたよね? 今立っている社殿は1996年(平成8年)に建てられたもので、それ以前に建っていた社殿は幕末の1860年に加賀藩が造営したものだったんです。その旧社殿は山頂からおろして大切に保管されていましたが、今ここではそれが展示されています。


マナブ:おー、それは素晴らしい。


雄山神社峰本社 旧社殿展示室


雄山神社峰本社 旧社殿


マナブ:わぁ、これはすごい。ここにあるということは立山のてっぺんまで登らなくても、ここでお参りすればいいのかな?


歴史先生:それはどうかわかりませんが、昔の社殿そのものが他の場所に移されて飾られているなんて、とても珍しいですよね。


マナブ:一部の木材は新しくなっていますが、風雪に耐えた古い木材などがよくわかります。


解体前の旧社殿


マナブ:実際の写真はこんな感じだったんですね。石で抑えられてたんだ。


佐伯有頼少年の絵


佐伯有頼少年の像


マナブ:展示室の周りには佐伯有頼少年の絵や像が飾ってあります。


お土産店のスナック菓子


歴史先生:今度はお土産店を見ています。


マナブ:これ、おもしろい!


歴史先生:白エビ、ですね。富山湾の名産。


マナブ:いえ、そうではなくて、お菓子の袋がパンパン。これって、室堂の気圧の低さをよく表していますね。


歴史先生:なるほど、そこでしたか(笑)。


立山曼荼羅:行った後で見ると実におもしろい!


立山自然保護センターの案内看板


マナブ:立山にはまだガスがかかっています。さらに時間調整すべく、室堂ターミナルに隣接している立山自然保護センターに来ました。


立山自然保護センターの展示室


歴史先生:ここでは雷鳥をはじめとする立山の動植物などについて、展示がされています。それらもとても面白いのですが、ここに大きな立山曼荼羅のレプリカがあるので、これを詳しく見ていきたいと思います。


立山曼荼羅


マナブ:あ、これが立山曼荼羅ですね。岩峅寺、芦峅寺の人たちがこれを担いで諸国を回って、宣伝していたという。


歴史先生:そうです。縦に4つに分かれていますが、それぞれを巻物として持ち歩いていたのでしょう。大きな絵ですから、少しずつ見ていきますね。


立山曼荼羅 解説



曼荼羅の左下の3人組の先頭で扇子を持っているのが、佐伯有頼少年です。彼は白鷹を探しています。鷹は右端の山の上に止まっています。



曼荼羅の真ん中の一番下。白い鷹を見つけた有頼少年ですが、熊に邪魔をされ、怒って熊に矢を射ます。



今度は曼荼羅の真ん中の一番上。ここは立山ですが、その岩屋には矢が刺さって血を流している阿弥陀如来と不動明王がいて、有頼少年が平伏しています。彼はその場で僧侶になる決意をし、髷を切って落とし、その髷が顔の前に落ちています。



曼荼羅の上の部分。有頼少年の開山によって、立山は阿弥陀如来の山として知られるようになりました。立山の上には阿弥陀如来がたくさんの菩薩と共に来迎しています。右側の三角の山は浄土山。それぞれの山の頂上には神社らしきものが建っています。立山信仰は、この阿弥陀様がいらっしゃる立山に登った人は地獄に落ちず、極楽浄土に行けるという信仰です。



続いて曼荼羅の左上。極楽ばかりではありません。立山には地獄があります。一番左上、地獄の針山のように見えるのが剣岳。その下には閻魔大王がいます。地獄谷にはいろいろな池があり、性のけがれによってどんな女性も必ず落ちるという「血の池地獄」、そして氷のように冷たい「みくりが池地獄」、などが描かれています。



次に曼陀羅の右上部分。ここには現在の立山ケーブルカーが通っている材木坂から始まる長い登山道の様子が描かれています。立山までの上り道の途中、女性の顔が付いた不気味な木や石があります。これは女人禁制を破って立山に登ろうとした女性3人組が神仏の怒りに触れて、2人は木に(形からして杉とブナでしょうか)、1人は姥石(うばいし)という石に変えられたという伝承を伝えています。姥石は弥陀ヶ原から少し登ったところに今もあるそうです。材木石ができたのもこの時です。



最後に曼荼羅の右下の部分。立山は女人禁制ですから、立山を登拝できない女性は極楽浄土に行けないのかと言うと、そうではありません。ここ絵の部分には立山に登れない女性たちのための儀式の様子が描かれています。女性たちは芦峅寺までは入ることができるので、そこで「布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ)」に参加することで極楽浄土へ行けるとされました。えんま堂(この世)から姥堂(あの世)まで、白い布をひいた橋を渡って阿弥陀様の救いを得る儀式です。


この立山曼荼羅を使って、男性には立山に登ることを勧め、女性には布橋灌頂会への参加を勧めました。



歴史先生:どうでしたか?


マナブ:これは面白い! 全部の話がつながりました。剣岳とか、よく出来てる。これを見たら、一度立山へ行ってみたい、と思うでしょうね。素晴らしいプレゼンツールです。


歴史先生:さて、そうこうしているうちにガスが晴れてきました。さぁ、立山の絶景を見に行きましょう!


マナブ:行きましょう!


安全登山の啓蒙ポスター


マナブ:あ、これ、おもしろい!


歴史先生:あ、ほんとだ(笑)。立山信仰のことを知っている人にとってはとても面白いポスターですね。


ここは天国それとも地獄? みくりが池で雷鳥に出会った


みくりが池


歴史先生:さぁ、室堂平の散策を始めましょう。室堂ターミナル内の階段を上って3階から外に出られます。


立山 玉殿の湧水


マナブ:建物を出た正面に「立山玉殿の湧水」というのがあります。


歴史先生:はい。これは室堂から大観峰までのトンネルを掘った際に湧き出た水を飲めるように、ここにサービスで出しているんです。今年はまだオープンしていないようですが、夏場は遊歩道散策のあと、のどを潤せる名水として人気です。


マナブ:まずは「みくりが池」ですね?


歴史先生:はい。室堂ターミナルに来られた方の多くが、みくりが池までの石畳の遊歩道を散策されますが、今の時期(6月上旬)はその半分くらいは雪に埋まっています。


6月上旬のみくりが池までの遊歩道の様子


マナブ:しっかりした靴の方もいらっしゃれば、普通の格好でつるつる滑っている方もいらっしゃいますね。


雷鳥のオス


歴史先生:あっ!


マナブ:どうしました?


歴史先生:しーっ。雷鳥がいます。すぐそこの茂みの下。


マナブ:ほんとだ。


雷鳥のメス


歴史先生:もう1羽います。つがい、かな。


マナブ:人を怖がりませんね。すぐ近くまで出てきてくれました。手が届きそうなところまで来ています。


歴史先生:白黒と赤の派手なほうがオス。茶色の地味な方がメス、です。


マナブ:動物の世界って、そんなのが多いですよね。でも、本物の雷鳥が、しかもこんな近くで見れるなんて、感激です。


歴史先生:1年のうちでは5月から6月にかけて、が一番見られる確率が高いんだそうです。


マナブ:今は6月上旬ですからベストですね。この時期を選んでよかったです。


ハイマツ


歴史先生:このあたりの低木ですが、「ハイマツ」という松の一種の高山植物です。雷鳥はこのハイマツの林の中で巣作りをしますので、ハイマツのあるところには雷鳥がいるかもしれません。私たちがどこで雷鳥を見たのか、皆さんの参考のために地図の中に「星印」をつけておきましょう。


みくりが池展望台


歴史先生:さぁ、みくりが池展望台に来ました。


マナブ:いやー、これは絶景だ。


みくりが池と立山


逆さ立山


マナブ:右の方に「逆さ立山」が少し見えていますよ。


歴史先生:ほんとだ。夏だと氷がなくて全面的に逆さ立山が映し出されます。


マナブ:ここはずーっといても見飽きないですね。まさに天国のような場所ですが、ここは水蒸気爆発の跡ということでしたよね?


歴史先生:はい、直径が約200mもある大規模な爆裂火口跡なんです。


マナブ:その時は地獄のような場所だったんでしょうね。


溶け始めている氷


歴史先生:夏でも氷が残るほど、ここは冷たい池なんです。ということで、立山曼荼羅の中ではみくりが池は冷たい池の地獄として語られます。


マナブ:そうでした。見るのは美しいけれど、入ったら冷たくて死にそうです。


歴史先生:今の時期、まだ2/3くらいは氷に覆われていますが、溶け始めているところが神秘的な色をしていますね。


マナブ:みくりが池ブルー、と言うのでしょうか、とてもきれいです。


立山山頂


マナブ:ここからは立山の山頂もきれいに見えています。


歴史先生:山頂に建物が見えますか?


マナブ:あ、ありますね。


歴史先生:あれは雄山神社峰本社の社務所なんです。


マナブ:けっこう大きな建物ですね。


歴史先生:その左のとんがったところに、ちょこんと乗っているのが峰本社。


マナブ:あ、ありました。


火山ガスが噴き出る地獄谷と氷河地形


みくりが池からみくりが池温泉へ


雪をかぶった坂を下り、石段を登っていく


歴史先生:さて、遊歩道の散策を続けましょう。となりのみくりが池温泉に行きます。


地獄谷


歴史先生:左を見てください。


マナブ:これは?


歴史先生:これは地獄谷。以前はここに降りていく遊歩道がありましたが、火山活動が活発になっていて、今は立ち入り禁止です。


マナブ:噴気が上がっていますね。


みくりが池温泉のテラス


みくりが池温泉のテラスから地獄谷を見下ろす


マナブ:ここのテラスは気持ちいい!


歴史先生:さて、大日岳の雄大な眺め。そして見下ろすと地獄谷。ここは日本で最高所にある温泉宿、らしいです。


火山ガス情報ステーション


注意書き


歴史先生:みくりが池温泉の裏にあるT字路を少しだけ左に行きます。


マナブ:火山ガス情報ステーション、と書かれた小屋がありますね。


歴史先生:この先、雷鳥荘に続く遊歩道があるのですが、そこでの注意書きです。雷鳥荘に行く人は、ここの水道でタオルを濡らして口をおさえ、速やかに通行するように、と書かれています。


マナブ:うーん、ここから先は本当に危険なんですね。


歴史先生:今日は道が雪で覆われていて足を取られるので、速やかに通るというのも難しいです。途中の「エンマ台」までにしましょう。


エンマ台


エンマ台から見える雷鳥荘


マナブ:あれが雷鳥荘ですね。


歴史先生:今日は有毒ガスの噴気がかなり上がっています。宿泊の予定でなければこの先は行かない方がいいかもしれません。


エンマ台から見下ろす地獄谷


歴史先生:ここからは地獄谷が良く見えます。でももう1つ、ここで見てほしいものが反対側にあります。


エンマ台から見る山崎圏谷(カール)


山崎カールは立山山頂のすぐ下にある


マナブ:ん? 山崎圏谷?


歴史先生:山崎カール、とも言われます。圏谷、カールというのは氷河がその源流部で作ったすり鉢状の谷のこと。山崎カールは山崎直方(やまさき なおまさ)さんという帝国大学の先生が日本で初めて氷河地形であることを突き止めました。


マナブ:国の天然記念物、なんですね。


歴史先生:はい。大切に保護されていて、立ち入りも禁止されています。


マナブ:なるほど。


歴史先生:ところで、ここエンマ台から下を見ると、夏には「血の池」が見られます。これは土壌の中の鉄分が酸化して水が赤く見えるもの。


マナブ:あ、それって立山曼荼羅の中で、どんな女性も必ず落ちる地獄。


歴史先生:そうです、そうです。


エンマ台から先の遊歩道


マナブ:ここから先は足跡はありますが、雪が深そうですね。


歴史先生:はい。ここで引き返して、今度はみくりが池の東側を通りましょう。


日本一高いところにある国指定重要文化財:室堂山荘


みくりが池の東側の遊歩道



歴史先生:みくりが池の東側を通っています。ここは歩きやすい石畳で、左側に立山、右側に浄土山が見えています。


マナブ:浄土山。これも立山曼荼羅にありました。右上の三角の尖った山でしたね。


歴史先生:そうです、そうです。


みくりが池の反対側からの景色


マナブ:みくりが池がまた見えてきました。


歴史先生:今度は逆の側から見ています。遊歩道、展望台が見えていて、人がたくさん歩いていますね。


室堂山荘に続く遊歩道。後ろに見えるのは浄土山。


歴史先生:さて、左側に見えてきた雪原ですが、ここには「ミドリガ池」があります。


マナブ:今は雪の下?


歴史先生:はい、水が凍って、その上に厚く雪が積もっています。


ミドリガ池の雪解けの様子


マナブ:今、どんどん雪が解けていますね。小さな川になって流れています。


歴史先生:夏までには池の水面が姿を現します。こういった雪解けの水が集まって、あの称名滝になっているんですね。


室堂山荘へ登る


歴史先生:さて、ここから遊歩道は再び雪に覆われます。室堂山荘に続くちょっときつめの坂ですので、滑らないように。


マナブ:がんばって登りましょう。


室堂平


マナブ:登ったところは広い雪原になっています。


歴史先生:ここは室堂平と呼ばれています。弥陀ヶ原を作った火山から出た火砕流や溶岩などで平らな地形になっているんですね。


新しい室堂山荘の建物


室堂山荘(国指定重要文化財)


歴史先生:さて、ここで見ていただきたいのはこれ。国指定重要文化財の「室堂山荘」です。


マナブ:えっ、これが重文?


歴史先生:はい。日本で一番高所にある国指定重要文化財だと言われています。


マナブ:古いんですか?


歴史先生:少なくとも江戸時代からその存在は知られていて、現存する最古の山小屋です。現在の建物は南北2棟あって、北棟は1726年、南棟は1771年に加賀藩が建てたものです。


マナブ:こんな厳しい気象条件の中、よく残っていますね。


歴史先生:1980年代まで現役の山小屋として使われていたんです。今は見ていただいたように新しい山荘の建物が隣に立っています。


室堂山荘から立山山頂への登山道が続く


マナブ:ここから立山に登るんですね。


歴史先生:今は雪に埋もれていますが、ここから右奥の低い峠のようなところにまっすぐ道が続いています。峠の上に建物が見えますか?


マナブ:はい、結構大きな建物が見えています。


歴史先生:あれは「一の越山荘」。そこの峠から少し傾斜のきつい尾根道をどんどん登って行ったら立山(雄山)の山頂です。


室堂山荘から先の道は閉ざされている


歴史先生:今、重機が見えているあたりの向こう側は谷になっているんですが、夏の間はそこから少し谷を下りて、玉殿岩屋へ行くことができます。


マナブ:あ、それは佐伯有頼少年が阿弥陀様に会った洞窟。


歴史先生:そのとおりです。今は雪のため立ち入りができませんが、もし夏に再度来られることがあればぜひ行ってみてください。


室堂山荘から室堂ターミナルへの道


歴史先生:ここからは広い室堂平の中をまっすぐに貫く道を通って室堂ターミナルへ戻りましょう。雪の上に出来た道で、夏の間はこの道はないんです。


マナブ:そうなんですか。ところで、室堂山荘とか、みくりが池温泉とか、普通にホテルとしてWebサイトなどで予約ができますが、アクセスがちょっと大変ですね。


歴史先生:大きなスーツケースを持って「どうしよう」と困っている方も見ましたね。この2軒はやはり山小屋なんだ、という意識で予約をされた方がいいでしょう。室堂ターミナルにあるホテル立山はそうではなくて、普通にオシャレ着のままでも泊まれます。


マナブ:なるほど。


歴史先生:さて、室堂ターミナルに戻ったら、いよいよ黒部ダムへ行きます。室堂はいかがでしたか?


マナブ:いやー、晴れた日に来れてほんとによかった。日程を綿密に考えた、作戦勝ちですね。青空をバックに立山の素晴らしい景色を堪能しました。


歴史先生:雨だと、まったく違った印象になりますよね。


マナブ:はい、もし雨だったら、何をしに来たのかわからなかったでしょう。ガスが出ても同様。山なので晴れた日でも今日のようにガスが出ます。その時に時間の余裕があったことで、ガスが晴れるのを待つことができました。


歴史先生:うまくいきました。


マナブ:天気だけでなくて、野生の雷鳥をあんなに間近に見られるなんて、そこまでは期待していませんでした。この時期がよかったのかな。とても幸せな、実に贅沢な時間でした。

​歴史好きのための観光ガイド
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